知る区ロード・オアシス巡り2021~プロローグ

1.動機「岡村靖幸

2.「知る区ロード」の思い出

 

 

 

1.動機「岡村靖幸

 

2020年の2月頃に、

昔から名前は知っているもののちゃんと聴いたことのなかった岡村靖幸の曲を聴いてみようとふと思い、

YouTubeの公式チャンネルでとりあえず一番上に上がっていた曲(「彼氏になって優しくなって」)を再生した瞬間、

衝撃を胸に受けた。

七三眼鏡で仏頂面なスーツのおじさんが、

とても激しく歌っている。

それも、時に車を運転しながら、

また、時に遊園地のブランコに乗りながら、、、。

眼鏡とスーツとおじさんとギャップが好物の私が落ちずにいられるはずがなかった。

(改めて視聴したら、運転はしてなかった。助手席だった。)

 

名前は知っているのだから、

聴けば一曲くらいは知っているだろうと思っていたけれど、

曲どころか彼の顔すら初めて見たということが判明した。

私はもともとコーネリアスが大好きで、

確かその関連で岡村さんの名前を覚えたはず。

記憶を掘り起こし…

多分、YMOの誰かと勘違いしていたと思われる。

(御三方、字面が固いし、岡村さんも…。)

(のちに、コーネリアスのリミックスアルバム『地球危うし!』に、

岡村さんがリミックスした楽曲が収録されているのを確認した。

それで知ったのだな。)

 

そしてなんというタイミング、

彼のツアーが4月に控えていた。

まだ全然視聴が追い付いていないものの絶対行きたい!と心に誓った。
(大好きなコーネリアスでさえ、

札幌のライブに2回行ったくらいしか経験がない。

ライブに行きたいと思う事は私にとってはとてもすごい事。)

 

どうせ行くなら良い席じゃなきゃなんて高飛車でいたけれど、

購入前に座席の確認が出来る唯一のサイトで表示されたのは後ろの端だった。

購入まで座席が分からないサイトだったら万が一はあり得るだろうか等悩んでいる内に、

この年の初めから突如一世を風靡したCOVID-19のせいでツアーは3か月後に延期へ。

しかしそれもまた目前に無期限の延期となってしまった。

感染者数や政府の言動に日々振り回された年だった。

 

最終的に『2020スプリングツアー操』は中止となり、

代わりに『2021スプリングツアー操』が開催されるはこびとなった。

それが2021年2月。

この一年は本当に長かった。

それは岡村さんに会えるのを何度も先延ばしにされたというのもあるし、

仕事や街の状況がこれまでとまるで変ってしまったというのもある。

 

国内の感染者は減っているとは言い難く、

イベントの開催も直前までどうなるか分からない状況ではあるものの、

この一年制限された生活を送っていると新型コロナへの構え方もテレビマスコミのそれとは異なってきた。

 チケット予約時から開催までにまた何かしら起こるかもしれないけれど、

ツアーが決行される限り私は参加すると覚悟を決めて2公演を申し込んだ。

 

一つ目の4月の札幌公演は、

札幌に自粛要請が出たものの期間が公演の4日前までだったのでギリギリセーフだった。

もう一つは、

初心者には早いかもしれないけれど東京での公演も観たくて5月の中野サンプラザ

流石にこの頃には落ち着いているだろうと読んでいたがそれは甘く、

GWにあわせて東京都に緊急事態宣言が布かれ、

更にそれが5月末までに延長された。

美術館までも休業要請がされる中、

既に予定されているイベントについては主催者の判断任せのようで、

5月の中野公演は開催されることに。

(けれどその二日前の大阪公演は直前に中止…涙…)

GW前にキャンセルの利かないパッケージで飛行機と宿を申し込んでいたのでもうギャンブルのようだった。

 

こうして岡村さんとの1年越しの初DATE(岡村さんのライブは"DATE"と呼ばれている)を迎えたわけだけど、

その間に曲を沢山聴いて覚えることが出来たし、

芸歴30年の彼の若かりし頃やあれやこれを学ぶ良い期間だったのかもしれない。

あまりTV出演されない方のようで僅かな出演をチェックしたり、

新曲を買ったりとリアルタイムで楽しむことも出来て楽しかった。

 

 

 

2.知る区ロードの思い出

 

東京都杉並区にシルクロードがあるのをご存じだろうか。

文字では『知る区ロード』と書く。

先にも述べたように私はコーネリアスが大好きで、

彼の書籍に、

雑誌の連載をまとめた『コーネリアスの惑星見学』という単行本があるのだが、

その中の一つに、

 

「子供が不思議な遊具で遊ぶ写真があってそのクレジットを見たら

"SHIRU-KU ROAD POCKET PARK SUGINAMI"

と書いてあった。

東京の杉並区?

そんなところにあんなものがあるの?

───と興味が湧いて調べてタクシーで行ってみたら、

ただの住宅街。

よく探すとまさに猫の額程しかない小さな小さな公園があってそここそが件の写真の場所だった。

まあ、たしかに"POCKET PARK"だ。

とてもがっかりだった」

 

というような記事があり、

そんなに期待はずれな場所って一体?ととても気になって、

2003年頃だったか私もその場所を探して行ってみた。

(路線バスを使って)

そこは「みみのオアシス」という公園で、

区内の主な名所や施設を巡れる「知る区ロード」と呼ばれるルートの途中に設けられた4つの休息所のうちの一つなのだそうだ。

 

当時は時間がなくて3つしか回れなかったので、

今回18年越しにリベンジを果たそうと地図を穴が開くほど睨んで計画を立てた。