夕方、宿に戻った。
台北での宿泊場所はゲストハウス。
旅程を決められずにいたらどんどん満室になってしまい、台北駅から近くて安いのはここくらいしか残っていなかった。
ドミトリー2泊、約5,000円。
今夜はこれから、日本に住んでいる台湾人の友人Catherineの、友人たち3人と晩ご飯。
Catherineは不在。
今回のメンバーのIanとは1度、Catherineと一緒に会ったことがあるけど会話はした事ない。
あとの2人は初めましての日台カップル。
(男性が台湾人、女性が日本人)
はたして。
11/17の台北の夜は寒かった。
ポロシャツの上から薄手のパーカーを羽織ったけど、それでも寒い。
Ianは中国語と英語、日台カップルの男子は日本語も少し話せた。
皆優しい人たちで、おしゃべりをしながら1軒目へ。
一体どんな料理が出てくるのか、漢字から想像するのが本当面白い。
私は大体何でも食べるので、もしゲテモノが出てきても大丈夫。
お刺身。
わさびが醤油皿に盛られてるし、量が凄い。
飾りつけも南国らしいね。
台湾勢はお刺身が好きじゃないようだった。
皆パセリを知らないようで、これはなんだとケータイで調べたり、赤ちゃんの爪くらいにちぎって味見して吐き出したりしていた。
この他にもまだ出てきた。
めっちゃ量が多いけど残すのが好きじゃないので頑張って食べたら、随分食べるんだね、と言われた。
違うよ、頑張ったんだよ…。
店内で飲食しているお客に、宝くじを売りに来る人がいた。
(そういえば、ホームレスの人が器を持って頭を下げてたり、電動車いすに乗った体の不自由な人が何かを売ったり募金を求めてたなあ)
集合が遅かったのもあるけど、食事が終わったのが夜11時過ぎ。
次は寧夏夜市へ。
途中、カップルの彼氏がコンビニでホッカイロ代わりに温かいドリンクを買ってくれた。
テーブル席のあるお店で温かいぜんざいのようなものを注文。
店員は、下っ端感のあるやんちゃそうな若造、食べてばかりの太っちょ、クールな黒髪の女性、とキャラ濃いめな面子。
私達が食べてるところに、店員が声をかけてきた。
ここはテーブルを広げちゃいけないらしく、誰かに通報されたので食べたらすぐ避けてくれ、と言う。
食べ終わると同時にテーブルを畳み、その辺に立て掛けた。
いや、隠さないんかい。
ちょうど夜市も終わる頃で、屋台の裏で洗い物をしている姿が沢山。
毎日ちゃんと後片付けして屋台も撤収、ってすごいなあ。
特に何もないところで「シャシン、シャシン」と何度も言われたのだけど、それは「写真」ではなく「小心(気を付けて)」という意味だと判明。
そういえば、雲林県古坑郷華山村で、おじさんが「写真、写真」と言いながらお庭を案内してくれたのは、写真撮りな、ではなく、足元気を付けて、だったのか!
もう0時を回ったし、これでお開きかなと思ったら、
Ianかカップルの彼氏から「まだ大丈夫?これから台湾のスペシャルな体験をするよ」と言われた。
え、何それちょっと怪しい…
と思いつつ、私以外に日本人もいるし大丈夫かなと思い付いて行くことにした。
20分くらい歩いた。
夜遅いのもありどんどん明かりもひと気も少なくなる。
クラブかバーのようなお店の前を通り、さらに進むと、なんだか怪しい雰囲気がしてきた。
大きなウィンドウいっぱいにTENGAが飾られているお店の前で足が止まった。
(「情趣職人」と書いてあった)
万一に備えていつでも逃げれる心構えはしていたつもりだったが、動けなかった。
私の警戒心とは裏腹に「足湯!」と彼氏が楽しそうな声で指を指した。
TENGAの隣の建物だった。
こんな真夜中に足湯?怪しい!
ここまでついてきたくせに変に勘繰る私。
椅子に座り、ズボンを脱ぐ(着替える)かズボンの裾を捲るよう言われた。
着替えたくないので捲った。
しばらくして全員が呼ばれ、自分の好きな薬草選んで個別の足湯を楽しみながら上半身をマッサージ。
それから足を拭いて足裏も。
15~20分くらいだろうか?
終わるとエレベーターで上の階へ移動。
薄暗い半個室に並べられた一人掛ソファに座り、下半身を中心にマッサージ。
終了後、出されたお茶を飲んで一服して、階段で下に降りる。
テーブルのある部屋に行き、席には人数分のゼリーが用意されていた。
薬草エキス入のゼリーでシロップをかけて食べるのだけど、これは一体何味なんだ?と皆ワイワイ推理しながら謎のまま食べた。
ここまで来てやっと、ここは安全なところだと納得した。
ずっと疑心暗鬼で緊張してたので、マッサージも効いたんだか効いてないんだか。
もったいない。
24時間営業のマッサージ店で、夜の仕事終わりの人も来るそうで、確かに私たちが帰る時にも来店客を見かけた。
色々台湾の話を聞いたり、おしゃべりを楽しんだ。
帰りにお会計を聞くと、彼氏が「台湾は買一送一だから、僕たちがマッサージを受けたから君らは無料だよ」と、台湾ジョーク(?)でスマートに奢ってくれた。
(買一送一…1個買うともう1個もらえるという台湾のお買い物システム)
思いがけず長旅の疲れを癒すことが出来た。
もうこの場でぐっすり眠りたかった。
そうして宿に戻ったのは午前3時半だった。